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2008フィギュアスケート世界選手権・感想

いやいやいや…本当にこのブログ、不定期更新もいいところなのですが(汗)
書きたいモチベーションが出てきたタイミングを逃さないようにしなくちゃですね。
というわけで、時間を捻出して、2008フィギュアスケート世界選手権の感想を。
超長文ですよー。

☆女子シングル
・浅田真央選手
SPのスパイラルで細かな取りこぼしはあったものの、ストレートラインステップは
今季一番の素晴らしい出来だったかな?と思います。
まさに鳥のようで美しかったです。
FSでは本人も見ていた人も皆ビックリして心臓が止まりそうな、
まさかのトリプルアクセル踏み切り前の大転倒!
でも、そこからが圧巻でした。直後の3-3のコンビネーションジャンプを
綺麗に決め、その後の演技はほぼパーフェクト。彼女の精神力の強さ、
諦めない心に深く感動しました。
演技が終わる時には、冒頭で転んだことを忘れてしまったほど。
結果的には優勝でしたが、浅田選手としては決して納得していない優勝。
もちろん、優勝できたこと自体は嬉しいでしょうが、トリプルアクセルを跳ぶことも
できなかったのはすごく悔しかったと思います。浅田選手にしかできないような、
難しいプログラムだったから、後半で巻き返すことができましたが、誰よりも浅田
選手こそが「ノーミスの演技」をしたかったと思うので…。
来季は浅田選手自身が納得できる内容で、頑張って欲しいものです!
そういえば、今季は最後までトリプルルッツはe判定(跳ぶ時のエッジが違う)を
食らってましたね。きっとこれからバンクーバーに向けて、エッジ矯正も
着手するでしょうから、さらに伸びしろがあるっていうことなんですよねー。
私は、浅田選手はもちろん才能にも恵まれていると思いますが
表に出さないけれど、すごく頑張りやさんだからこそ、世界のトップクラスの選手に
なれたのであって、ガラスの仮面の北島マヤ的な「天才少女」ではないと思います。
今季は試練の年になった感がありますが、正直、身長がこれだけ伸びて、体格も
変化する時期の浅田選手が、大崩れすることなく、今季は出る試合全て、
優勝争いに絡んでいたことこそが驚異。ジャンプの調子が悪かったのも、
そういった要素があったのかもしれません。浅田選手は言わないから真相は
分かりませんが。
でも、いずれにしても言えることは、浅田選手はこれからも進化し続けるということ。
今後も活躍に期待しています。
あ、気になるのはこれからのコーチ問題。やはり、四大陸からコーチ不在で
やってきて、それでも連勝というのはすごいことだと思いますが、客観的に
いろいろな面をフォローしてくれる、信頼できるコーチがいることは重要です。
中野選手と佐藤コーチの関係を見ても分かります。
良いコーチが見つかりますように。

・中野友加里選手
もともと、彼女の気迫のこもったスケートは大好きなのですが、今季は本当に飛躍の
年でしたね。グランプリファイナルに自力で出場権獲得、全日本選手権でも3位に
食い込み、世界選手権ではSP・FSともにノーミスの会心の演技で4位に!
本人も、持てる力を全て出し切った、という達成感に満ちていましたよね。
今回、浅田選手含む上位3選手が何かしら、FSでミスをしていた分、中野選手の
点数が伸びなかったことに疑問・不満を持った人が多かったようですが、
中野選手のFSでのPCS(芸術関係の5コンポーネンツ)は浅田選手に次ぐ2位で、
素晴らしい出来ばえだったことはジャッジも正当に評価してくれていましたし、
技術点はトリプルアクセルとトリプルフリップの回転不足によるダウングレードが
響いていました。この減点がなければ表彰台だったのです。
中野選手は3-3もプログラムに入れていないので、これから表彰台を狙っていく上で
課題になることも、はっきりしたと思います。
でも、本人はとっても満足そうでしたよね。自分の持てる力は全て出し切れた!と。
魂のこもった演技に鳥肌が立ち、清清しい笑顔が見ている方も嬉しかったです。
あの大舞台で力を出し切ることが、どんなに大変なことか。本当に素晴らしいです。
今回の大会の女子で間違いなく一番輝いていたのが中野選手。
それは会場のお客さんのスタンディングオベーション、得点が出た後のブーイングで
良く分かります。Yukari Nakanoの名前は、世界に刻み付けられたことでしょう。
まさに「試合に負けて勝負に勝った」感じですね。
人一倍努力家な中野選手の、来季のさらなるレベルアップが楽しみ!

・安藤美姫選手
SPのプログラムを変更したと聞いて、どうなるかなあと思っていたのですが
調子が良くなかったかな…昨季よりはまり具合がピタリとしていませんでした。
それを反映するかのようなSPの得点。
さらに練習中に負傷の知らせ。痛みをこらえて出場しましたが、
演技を途中でやめて棄権せざるを得ない事態に…。
見ていて本当につらかったです。可哀相でした。
今季は非常に波があって、いい時と悪い時の差が激しかったですね。
ケガの影響が大きかったのでしょうけど…。
安藤選手にしかない魅力がいかんなく発揮できるように、来季に向けて
しっかり負傷を治して、復活して欲しいと思います。
全日本選手権の時の「カルメン」のような力強い演技をまた見たい!

・海外選手
コストナー選手は随分良くなった!と驚きました。NHK杯の時はイマイチ精彩を
欠いていましたが、さすが、欧州選手権を制しただけのことはありました。
スピン、スパイラル、ジャンプ、ステップと綺麗に決まると、スタイルがいいだけに
すごく美しいです。コストナーに採点が甘い、と言っている人も見かけますが、
あれだけの技術があれば評価されてしかるべきと思います。
FSのPCSは中野選手の方が上回っていましたし。
キム・ヨナ選手は負傷を抱えての演技で、本来のスケートではない印象でしたが
その状況でよくまとめてきた、と思いました。一流の選手である証拠ですね。
彼女の速さのあるスケート、姿勢の良いジャンプ、豊かな表現力は素晴らしいと
思います。二年連続で世界選手権の時に体調不良だったので、来季はベストな
演技を見たいですね。
個人的に好きなのはロシェット!気持ちの良い、カッコいいスケートを
見せてくれました。コルピも妖精のようで美しかったです。

☆男子シングル
・高橋大輔選手
正直、SPを見た時点で「調子が良くないな」と感じました。
本田さんの解説でも「軸が斜め」と言われていましたが、滑り自体も、なんとなく
いつもの勢いがなくて…。緊張しているのかな?と思っていたのですが、
FSでその予感的中!最初の4回転を成功させたものの、コンビネーションジャンプを
跳べなかったこと、得意のトリプルアクセルでのミスで慌ててしまったのか、
最後に予定と違うコンビネーションを入れてしまい、まるごとそのジャンプの得点を
失うという痛恨の事態に。これで6点損してしまったのです。
これは「コンビネーションジャンプは3回まで」というルールがあり、
コンビネーション失敗した部分は、「跳べなかったが、コンビネーションジャンプと
見なされる」ということで、成功はしていなくても3回跳んだ状態になってしまい、
4回目のコンビネーションを跳んでしまったので、
カウントされなくなってしまったのです。
「たられば」は言いたくありませんが、トリプルルッツが入っていれば3位でした。
ついでに「たられば」を言うとすれば、もし高橋選手が4回転を1つにして、2回目の
4回転を跳ばず、きっちりコンビネーションが入っていれば、
もっと結果は違っていたかもしれません。高橋選手はジャンプが綺麗なので、
加点ももらえるから、転倒するよりは確実に加点を狙う手段もあります。
ただ、高橋選手自身は、4回転を2回入れないと勝てない、と考えているようで、
そのことが今回はプレッシャーとなり、仇になってしまったのではないでしょうか。
でも、結果は4位で本人はとても納得のいくものではなかったでしょうが
(帽子を目深にかぶって、表情を隠しているかのようだったのが切なかったです)
今季のSP「白鳥の湖」は本当に素晴らしいプログラムだった!
もう見られないのがすごく残念です。(って、来季も使ったりして?
それはそれで嬉しいけど)次はどんな高橋大輔が見られるかワクワクします。
またここから再スタートして、来年こそはワールドチャンピオン、そして2年後の
バンクーバーでも活躍を期待します♪

☆小塚崇彦選手
小塚選手は今まで、高橋選手・織田選手の影に隠れてしまいがちでしたが、
とても綺麗なスケートをする選手なので、以前から注目していました。
今回は世界選手権初参加ということで、とても緊張していたと思います。
その上、なんとSPでいきなり最終滑走グループに入ってしまうという事態。
これは大丈夫かな…という心配をよそに、SPは見事な出来栄え!
いやー、こんな小塚くんが世界の大舞台で見られるなんて、と嬉しくなりました。
(あ、興奮して、思わず「くん」と書いてしまった)
衣装はプロボウラーみたいでしたけど(笑)
小塚選手の魅力は、滑りの美しさ、丁寧なスケーティング、綺麗なスピン。
その辺りはジャッジからも評価されたようで良かったと思います。
FSでは緊張してしまったのか、冒頭のコンビネーションと、後半のジャンプで
2回ミスをしてしまいましたが、トリプルアクセルをコンビネーションで跳んだので
驚きましたよ!小塚選手、どんどん進化している!とますます楽しみになりました。
結果も総合8位と大健闘でしたね♪

・南里康晴選手
FSのTV放送がカットされてしまったのが残念無念なのですが…。
初めての世界選手権で、すごく緊張したと思います。
SPのトリプルアクセルで失敗してしまいましたね。
でも、FSではかなり挽回したようで、頑張った!と拍手を贈りたいです。
どこかで映像見られないかなあ…。

・海外選手
バトル選手。以前から彼のスケートは大好きでしたが、故障に悩まされていたり、
ジャンプが苦手だったりでいつも何かしらミスしてしまうことが多い選手だったので、
今回の快挙はすごく嬉しかったです。とても気持ちの良い優勝でしたよね!
4回転こそなかったものの、SP・FS通じて、彼の持ち味が全て発揮され、
とても美しく、かつレベルも高い演技内容だったと思います。
ジャッジパネルを見ると、すべての要素で加点の嵐。
ひとつも減点がありませんでした。それも納得。完全優勝、本当におめでとう!
ジュベール選手は病み上がりで、かなりやせていたので大丈夫か?
と思いましたが、うまく調整してきましたね。でも、SPでトップと5点差が
ついていたのに、FSで3回予定していた4回転を1回に変更してきました。
バトル選手を残しての演技ですが、本人は終了後、勝ったと思ったようです。
しかし、4回転1回では、SPでの点差を覆せなかった…。
これも勝敗の分かれ目でした。しかし、新採点方式になってから
4回転を跳ぶ選手が減る中、彼はずーっと4回転にこだわっている辺りは
男気を感じますね。
ウィアー選手は元バレエダンサーだけあって、しなやかな体、優美な表現力を
十分に活かして素晴らしい演技でした。4回転は両足着氷に
なってしまいましたが、その後はほぼノーミス。今季は落ち着いていました。
僅差の戦いで勝利するためには、この落ち着きこそ大事なのかもしれません。
ランビエール選手はSP・FSともにジャンプが不調で残念でした。ジャンプ以外の
要素では独自の世界を持っていて、見る者を魅了する力があるだけに
勿体なかったです。特にFSのフラメンコは素晴らしいプログラムだったので、
ノーミスの演技が見られたら良かったと思います。
ベルネル選手はFSで大崩れしてしまいましたね。今季の欧州王者とはいえ、
まだ若くて経験も浅い選手なので、世界選手権の最終グループでの滑走という
独特の雰囲気に呑まれてしまったのかもしれません。昨季までの怖いものなしで
やっていた時とは違います。とはいえ、ベルネル選手の潜在能力には
期待しているので、今後の成長を見守りたいです。

☆総括
女子は、キム・ヨナ選手と浅田選手の争いに誰が絡むか?と思いきや、
思った以上に混戦になりました。高得点こそ出なかったものの、SP終了時点で
8位までが59点台、トップと5点差というのは非常に白熱した戦いで
面白かったと思います。反面、ノーミスで演技ができた選手が少なく、
採点ルールに関係なくフィギュアを見て楽しんでいる人にとっては、印象と結果に
ずれが生じた大会だったかな、とも感じました。
男子はFSの最終グループ滑走順の駆け引きが非常に興味深かったです。
ジュベール選手が5番滑走で、「4回転を3回入れる」という話があったために
その前に滑る選手は4回転を入れざるを得ない状況に。
そしてジュベール選手自身は、ふたを開けてみれば4回転は1回のみ。
しかし、それが仇になり、4回転を入れなかったバトル選手の完璧な演技が
勝利を収めました。こういった駆け引きもフィギュアにはあるんですよね。
それを担っているのは選手ではなくコーチなので、コーチの判断も重要です。
ちなみに、バトル選手は最初から4回転を入れない予定だったようです。
ジャッジに不満を感じた人も多いようですが、以前に比べて随分クリアーに
なっていることは確かです。ISUのHPには、ちゃんと競技終了後にジャッジの
パネルが掲載されているので、そこで確認すれば、なるほど、と思える結果です。
いろんな感じ方、意見があるのは当たり前のことなので、私は反論はしませんが
ひとつだけ言えることは、今の採点方式に長所・短所があるのは認めます。
改良するべき点もあるかもしれません。
が、選手達はそのルールにのっとって研鑽を積み、勝負しているわけですから
外野がやんや言うのは、頑張っている選手達にとっても失礼なことなのでは
ないでしょうか。「競技」である以上、何らかの形で点数をつけなくてはいけないので
そのための基準は、できるだけ分かりやすい方が良いと思います。
その点で、今の採点方式は、以前のものよりは理由がはっきりしているように
感じます。4回転やトリプルアクセルの評価が低いような気がするのは、
少し気になりますけど…。

回転不足やエッジエラーが厳しくなり、混乱もあった今季。
選手達はいろいろ大変だったと思いますが、魅力的な演技を
たくさん見ることもできました。
もうこれでオフシーズンに入るのかと思うと、かなり淋しいですが
次のシーズンが早くも楽しみです。何しろ女子はアメリカのジュニアが
上がってきますし、男子はプルシェンコの復帰があるという噂。
面白い展開になることを期待しつつ…
選手の皆様、お疲れさまでした。

余談になりますが、私が好きなスケーターはフィリップ・キャンデロロ、
アレクセイ・ヤグディン、アレクサンドル・アプト、ミシェル・クワン、
イリーナ・スルツカヤ。もちろん、本田武史、荒川静香も大好きです。
伊藤みどりのジャンプ、カタリナ・ビットの演技に感動して
フィギュアファンになりました。
以上、敬称略。
でも、未だキャンデロロのような心躍る感動を与えてくれるスケーターは
いないですね。別の種類の感動はたくさんあるけど。
現役の選手は、基本的に皆応援しています!
もちろん好みはあるけど、それぞれ頑張っているのが分かるので。

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