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介護のベース ③優先順位とポイントをつかむこと

月曜連載シリーズ「介護のベースになること」です。
介護のベース ①介護する上で絶対必要な支柱
介護のベース ②全体を見ること、個を見ること

UPが1日遅れてしまってすみません。
第3回は「優先順位」と「ポイント」が主な切り口になります。
優先順位、などという言葉自体からなにやら不穏な空気が感じられますが、
これをきちんとつけられないと、利用者さんの介護が行き届かないばかりか
事故につながってしまうことが多いので、とても重要なことです。

では、具体的に話をしていきましょう。
貴方は1人でフロアーの見守りをしているとします。そこには認知症があり、
転んでしまいそうなのに1人で立って歩こうとする方がいます。
また、別の落ち着かない利用者さんが廊下を歩き回っています。
この方は転倒する危険はさほどありませんが、もしかすると他の人に
突然暴力行為をするかもしれません。
そんな時、居室から2つコールが鳴りました。1人は「トイレ介助お願いします」で
もう1人は「私の下着を盗られちゃった」だとします。
コールを対応している間に、転倒注意の利用者さんが立ち上がろうとしています。
ここで問題です。皆さんが介護スタッフだったとしたら、どのように対応しますか?

もし、完全にこのフロアーが職員1人で、まったく動きが取れない状態だったとしたら
コールした利用者さんのトイレ介助に行く際、立ち上がろうとする利用者さんは
誰が見守ればいいのでしょう?
答えは、「他のフロアーの職員に転倒注意の利用者さんを頼みに行く」しかないでしょう。
放って行ってしまったら、絶対に転んでしまうと思います。
または、車椅子に乗ってもらって、コール対応の間も一緒に歩くことで
見守りできる時間を長くする方法もあります。
いずれにせよ、この場合優先順位としては、まず「言葉で伝えても理解できない
認知症の方は外せない」ということになります。
しかし、コールをしてきた方もトイレに行きたいわけですから、すぐに対応する必要があります。
そして、もう1人の方のコール「下着を盗られた」も、一概に「そんなの、あとで」とは
言い切れないものがあります。廊下を歩いている、落ち着かない方も目は離せません。
いつもいつも、その時によって優先順位は変わります。基本的には排泄介助は
一番切迫していますので、優先順位はかなり高いでしょうし、転倒しそうな方が1人で
歩いていたら、その方が転ばないよう介助するのはかなり緊急度が高いでしょう。
限られた職員数で、どのように連携を取り、利用者さんの介護を行き届いたものにするか。
そのためには優先順位を考えることはとても重要なのです。
そして、これを瞬時に判断していく必要があります。迷っている暇はありません。
ですから、普段から先輩や他の職員の対応をよく見て学び、いざという場面では
自分の判断を信じて動くしかありません。
リスクの高いことから順に対応すれば、多少順番が入れ替わってもそれは問題ありません。
正解がひとつ、ということではないのです。

もうひとつ、ここで言及しておきたいのは、「ポイントをつかんで、押さえる」ことです。
例えば、淋しいからコールをしてくる方もいます。特に用事はないのですが、
その方にしてみれば不安だったり、人恋しかったりする気持ちで呼んでいるので、
「忙しいから!」と切るわけにはいきません。では、どうするのか。
私の場合、「○時になったら少し手が空きますから、お話しましょう。すみませんが今はちょっと
難しいので、一度戻ります」という声かけをすることが多かったです。
そして○時にはコールがなくてもいけるよう、他の仕事をうまく回すわけです。
訴えが多い方は、自分のことをちゃんと見てもらえてない、気にかけてもらえない、
という不満があることが多いです。前回の「個として捉える」にもつながりますが、
「ちゃんと貴方のことを気にかけていますよ」という思いが伝わると、不思議と
落ち着いて下さることもあるのです。
難しい時もありますけどね。そういう時は、心理的なことだとしても緊急度が高いと
捉えて対応した方がいいでしょう。それが、上記の「下着を盗られた」ということでも
大したことないとは言い切れない、ということになります。その後にずっと不穏になってしまい
収拾がつかなくなってしまうこともありますからね。
ポイントをつかむことは、イコール、その方のニーズをきちんと把握することです。
言葉で発していることが、そのままニーズとは限りません。
残尿感で何度もトイレに行きたがる方が、本当にトイレに行くことをニーズにしているのか、
その見極めが非常に大切です。人によっては、遠慮で言わない方もたくさんいらっしゃるので
言われなくてもニーズが分かるようになることが最終目標です。
ただ、そこに到達するにはすごく経験も必要ですし、失敗もつきものですが…。
だから、基本的な姿勢さえ間違っていなければ大丈夫です。
何度も失敗すると思いますし、怒られたり、泣いたりすることは避けられないと思いますが。
それでくじけない精神が、やっぱり一番大事なのかな、と思いますね。
私も今だから言える失敗談、たくさんありますよ…。
もちろん命に関わるようなミスじゃないですが。

尽きぬ好奇心、あくなき探究心

私はつまみ食いタイプの人間です。あれもこれも、興味あるからちょっとかじる、
でも深くまで分からない、といった按配ですべて中途半端。
まさに「ねずみ年」を地でいったような性格。
好奇心旺盛なのは昔からで、いろんなことにすぐ興味を示して、
はまるとしばらくそのことばっかり、ということも多いのですが、道を極めるほどは
追求せず、完全に飽きちゃうことはないのだけど、ブームが去ると忘れてしまうこともあります。
私の尽きぬ好奇心は今でも健在で、いろんなことにチャレンジしたいな~と思っては
首を突っ込んでいます。でも偏りはあるので、あくまでも人生において
いろいろなことを体験した数が多いということではないのですが。

この尽きぬ好奇心のおかげで助かっていたり、面白いな~と思えたりすることはよくあります。
例えば私がずっと仕事として関わっていた福祉についても、単に介護福祉分野だけでなく
「音楽療法」や「保育所と老人施設の交流」「精神障害者と地域」といった
他分野とのつながりを考えてアイディアを出せたり、発想を転換させたり出来るのはプラス面。
また、全然関係ない分野ではありますが、お香の焚き方や歴史の話は、
利用者さん達との会話に役に立っていることも多かったです。
こういう発見は、単に介護を学んだだけではないことなので、私の首突っ込み病も
あながち、悪いことばかりじゃないなあ、と思う次第です。

しかし。最近、ちょっと思うのですよ。
ひとつのことをとことん探究していく力があって、ひたすらにその道を極めることができたなら、
そこからも、いろいろなことが学べるのではないか、と。
よく専門家はその道のことしか知らないと言いますが、
決してそんなことはないような気がします。
そう考えると、私には「極める」ほどのものがひとつもないのです。全部中途半端だから。
これはまずい。私もみそぢなわけだし、そろそろ1つくらいは、
きちんと「このことについてなら何でもござれですよ」と胸を張って言えるほどの道を、
自分なりに築くことも必要かな、と考えました。
まず、私にとってそれは何か。やはり、介護福祉分野以外にはありえません。
となれば、しばらくは介護福祉については徹底的に研鑽を積み、情報を収集し、
私なりの理論を確立させるところまでいけたら。
そんな考えもあり、月曜介護連載を始めたのもあります。

これまでは介護がお仕事で、それ以外の関心事にどんどん挑戦していたところがありましたが
今は、介護はお仕事にはしていないけど、やはり介護は私の中心で、
様々な角度から切り込んで介護について徹底的に考えていく必要があるな、と感じています。
他にもいっぱい興味のあることはありますが、まずはここなんだろうな、と自分の立ち位置を
しっかり確認しました。今日、福祉環境コーディネーターの試験を受けたのですが、
合否はともかく、この試験を受けたことで、大学時代にもやっていたはずの「住環境整備」が
自分で全くといっていいほど、お話にならないくらいの知識しか持ち合わせていなかったことに
恥じ入りました。勉強も足りませんでしたが、そもそも勉強の仕方も間違っていたと思います。
「覚えよう」として建築関係のことを頭に詰め込もうとしていましたが、そうじゃなくて、
実際に図面を書いたり、こんな人の場合はこんな対応が必要で…と考えていくことが
大事だったんだ、と今更ながら、試験終わってから気付いて反省しています。
このことはぜひ、次につなげたいと思っています。

でも、結論から言えば、好奇心があることも、探究心があることも、両方いいことですよね。
この気持ちをなくさずに行きたいと思います。
皆さんは、好奇心派ですか?それとも、探究心派ですか?

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